自分のキャリアを考える

その単身赴任は自分のキャリアにとってどのような位置づけでしょうか。自分のビジネスキャリアにおいて、その赴任はどのようなポジションなのか考えてみたことはあるでしょうか。

現代は「働く人の権利」というものが多分に尊重される時代です。単身赴任が言い渡される前に、「まずは本人に意志を確認しよう」ということも多々あるでしょう。企業によっては「辞められてしまっては意味がない」と考えて本人が拒否すれば赴任のハナシもなかったことになるケースもあるでしょう。昔のように「会社の命令は絶対」という風潮が薄れつつあります。情報化が進み、以前は「正しい」ということであった「会社の命令は絶対」というものも現代では「ナンセンス」になりつつあります。経営者も大変なもので、少し他の企業よりも条件が悪いものを提示すれば「ブラック企業」といレッテルを貼られてしまうことになります。少し都合が悪いことがあれば、あっという間に「ブラック企業」なのです。それが現代社会の現実です。働く側と雇う側の「溝」です。

現代は「転職」がしやすい時代とも言われています。自分が働くための環境を、自分で手に入れることが容易なのです。ビジネスには波風があります。流行りや廃りの影響をまともに受けます。それらの影響によって売り上げが大きく左右されるものなのです。それは個人がどうすることもできない大きな時代の流れであり、「市場」は常に流動的であり、特に現在ではコンピュータやその他のインフラの影響も無視できません。テレビの視聴時間はインターネットに圧迫され、「広告」のスタンダードもインターネットにとって代わられ、時代はますます情報化、電子化の流れを辿っています。そのような中で、「人材」もまたそれらの情報によって流動するものなのです。どれだけいい人材を得ることができるのかということは、その企業にとっては死活問題です。どれだけ電子化、情報化が進んだとしても、システム化が進んだとしても、それらを用いて実際に仕事をするのは「人間」だからです。

そしてひとりひとりの人間には「意志」があり、「収入」というバロメーターで自分を測ることになります。自分の能力、自分の社会的な地位を「収入」で測るのです。それが私たちの基本です。「生きていく中での基本思考」です。収入が多ければできることが増える、買えるものが増えるのです。収入が増えれば、家族にもたくさんいい思いをさせることができるのです。そのために私たちはひとりひとりが「キャリア」を考えることになります。「キャリア」は長期間で考えることです。「今耐えれば将来は」であるとか、「このスキルを持っていれば将来は」ということです。自分が生きていくために必要なこと、自分の将来に必要なことを考えることを、日頃から自然に行なっているものです。

ですから、赴任の打診を受けた際、一時は家族と離れて寂しくなるかもしれませんが、それが自分の将来のためになると思うのであれば、可能性が広がると感じるのであれば、それは承諾してもいいかもしれません。また、逆に自分にとって意味がない、そして現在の職場には自分の場所がないのかもしれないと感じた際は、いち早く次の職場を探すなどした方がいいかもしれません。それが「キャリア」を考えるということです。

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